
現状のままでは約8割の”支払い基金”が潰れてしまう。日本にしかない国民皆保険は崩壊するであろう。その対応策のひとつとして、今年の4月から先ず保険点数が下げられた。これで”基金”は幾らか生き延び、10月から患者負担が導入され、なんとか存続可能になる。その後、高齢者は1割負担で家族は3割負担になる。現在、サラリーマン本人は2割負担であるが、来年4月からサラリーマンの3割負担になると、1割上積みすることによって、年間約4,000億円の医療費が捻出できる。単なる数字合わせかも知れないが、何とか国民皆保険制度は維持できる。しかし、その次の年には又1兆円以上の医療費が必要であるから、更に何とかしなければならない。そこで今年の4月に仕組んだ保険点数で病院自身が潰れる可能性が出てくる。また国公立病院は特殊法人となり社会保険病院などは統廃合される。大学病院や民間病院も潰れるか生き残るか?H17年以降は医療機関自身の存続が問われる時代になる。
高齢者の医療費が高く、末期患者の医療費が若年者の5倍も掛かっている。そこで、来年度以降は新しく、75歳以上の「高齢者医療保険」がスタートする。75歳以上の高齢者が年金から5%を拠出し、患者が5%を負担し、政府拠出金9割で創設する。この財源は税で賄うが、恐らく消費税がこれに充てられるのであろう???
介護保険が1999年からスタートしたが、既に2年目で財源は底をついている。”ゴールドプラン21”により、介護施設はドンドン創設されている。その分だけ介護保険費用は不足している。わずか2年目で破綻というのではあまりにも無謀な話である。結局、市町村の広域合併により地域ケアの介護保険制度は広域化し、その分介護保険費が増収されるという策を講じるしかないのである。合併しないと介護保険費は不足するので、在宅が主体となりサービスは低下する。住民はサービスのよい他の市町村に転出する事態も起こりうる。介護保険は各自治体が決めるので、市町村で明らかに差がでてくる。

現在施設に入所している障害者は措置費(税)で扱っていたが、来年から支援費制度といって一部有料になる。当該者は市町村に申請して査定を受けてサービスを受けられるようになる。またしても国民に負担が掛かることになる。
一方、エンゼルプランは市町村の自治義務で、男女共参面型社会の共稼世帯では子供を預かって貰う施設が必要で、受益者は応分の負担となる。

来年は年金のあり方を考えなければならない。今迄の賦課方式で果たして良いのだろうか?今後の問題であるが、若年労働者の30%は空洞化している。アルバイトやフリーターなど定職を持たず「年金」など関係ないと認識している若者が多い時代となっている。
政治家は(与野党)の国民不在の駆引きをしている場合ではない、党派を超えて真剣に取り組まなければならない時期にきているのである。
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