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肥満と病気協和中央病院 内科部長 玉野 雅裕



 肥満は生活習慣病(高血圧症、糖尿病、脳卒中、虚血性心疾患)の最大の根本原因と考えられています。日本人は近年、急速に食生活が欧米化しており、一日の総摂取カロリー自体は微増にとどまっているものの、脂肪の摂取量が激増して来ており、運動不足、経済成長に伴う精神的なストレスの増大なども加わり軽度から中等度の肥満が増加しています。
 肥満は体脂肪の増加がその本態であり、脂肪組織を形づくる一つ一つの脂肪細胞が余剰のカロリーを吸収して腫大するために生じます。最近の研究では、腫大した病的な脂肪細胞から種々の生理活性物質(ホルモン類似物質)が分泌され、それらが動脈硬化を促進し血圧を上昇させたり、糖尿病を誘発することがわかってきました。
 死亡原因として、癌につぐ位置をしめる心血管疾患の、最大の原因が肥満であるといえます。では、肥満を予防し、また改善させるにはどうしたらよいのでしょうか。一言で言えば、ダイエットをして運動によりカロリーを消費することと言えます。しかしこれは容易なことではありません。種々雑多なダイエット法が考案されていますが、いまだ完全確実なものはありません。急激に減量してもリバウンド作用により、すぐにもとの体重に戻ってしまうのです。人間の食物摂取の行動パターンは、以前は本能を掌る視床下部に支配されていると考えられていました。しかし、近年もっと高次中枢である大脳によって支配されていることがわかり、長年培われてきた大食いのわがままな行動パターンを修復させることはきわめて困難であると考えられています。現時点で最も有用な方法は、 (1)幼少期から大食いを避け肥満を予防すること、(2)よくかんで食べる(一口30回かむ)こと、早食いはしないこと。───少ない量で大脳に満腹感が生じ徐々に減量が達成されますし、リバウンドも起こしにくいとされています。以上を日常から心掛けることが生活習慣病予防・治療の第一歩と考えます。



(筑西市商工会会報「あじさいメール9号」掲載)







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