今回の感染看護研修では、「処置・部門別感染防止策、検体の取り扱い方」と、より具体的で専門性のある分野に焦点を絞っての内容でした。
検体検査につきましては検体採取時の注意点やその理由、保管方法などについても講義していただけました。
ただ単に検体を提出すれば良いのではなく、患者様から受け取った後(自己採取できる方の場合)、自分たちもその検体を実際に目視して、検体の量は十分か、痰培であれば唾液様のものではなく、検査可能な痰であるか等、しっかりと確認して提出する必要があることを再認識しました。また、それに伴って患者様に自己採取していただく時の注意点など、患者様に十分な説明をすることの大切さも改めて感じました。この分野での研修では散在している病原菌を採取できるような採取方法、注意点を学ぶとともに、感染症を正しく早く治療するためには、適切な検体を採取することの重要さを学ぶことができました。
また、血液培養は当院では1セット提出することがほとんどだと思いますが、採取時に混入してしまった菌なのか、本当に血液中に存在している菌なのかを同定するため、また検体の採取量は多いほど検出率は向上するため、2セット採取が推奨されているそうです。また、ボトルへの血液注入前の挿入口の消毒はまず、広範囲の殺菌効果があるアルコールで消毒し、アルコールでは殺菌できない芽胞をもつ細菌を殺菌するためにイソジン(当院ではネオヨジン)の両方での消毒が望ましいそうです。
血管内留置カテーテル、尿道留置カテーテルに関する感染予防策では、当院でも導入され対策できていることを実感しました。当然なことではありますが、基本的な感染対策1つ1つを遵守していくことが感染予防にとても重要であることを実感し、軽視してはいけないことを認識しました。初心に返り、ひとつづつの手技を丁寧に確実に実施していこうと反省しました。
手術部位感染対策では創部の感染徴候の観察や清潔の保持ばかりではなく、好中球の貪食能を向上させるために低体温を予防したり、高濃度の酸素を投与することが有効であることなど内面的なアプローチもできることを学びました。
どの分野においても、基本は「スタンダードプリコーション」「マニュアル通りの対策」を遵守することが感染対策にとって重要であることを全体を通して再学習できました。 |